映画「オッペンハイマー」の感想を書いてみる。映画の感想なんて書くの、たぶん初めて。こういうのは、ネットにある誰かの感想に目を通す前に自分で書いちゃうのがいい、と書評家の三宅さんが言ってた。今、猛烈に誰かの感想が読みたくて仕方ないけど、読む前に自分の頭の中を出し切らねば。いっちょやってみよう。
まず、この映画を見る前に、マンハッタン計画の予習くらいはしておくべきだった。登場人物が多すぎて、誰が誰だか頭に入らなかった。ロスアラモスでやたらボンゴの音が鳴ってて、「愉快な雰囲気の演出なのかな?」なんて思ってたけど、あれは物理学者ファインマンが叩いてたんだって。「ご冗談でしょう、ファインマンさん」の、あのファインマンさん。映画の中では名前がはっきり出なかった気がする。
そういえば、あの性交シーン、全然気持ちよさそうじゃなかったなぁ。あんなジトっとした騎乗位、ちょっと嫌だった。サンスクリット語のヒンズー教経典を読むシーンは必要だったよ。「われは死神なり、世界の破壊者なり」ってくだりのためでしょう?でも性交まで必要だったのかは謎。不倫相手が共産党員で精神科医だったとは。精神を病んで自ら命を絶ったのね。医者の不養生ってやつか。
キティがアル中だってことを見せるために、小さな缶?水筒?みたいなのを常に持ち歩いてたけど、あの中身って何だったんだろう。もちろん度数の高い酒なんだろうけど。ウォッカとかかな? 調べてみたら、あれは「スキットル」とか「ヒップフラスク」と呼ばれる容器で、今でもアウトドア用品店とか雑貨屋で普通に売ってるらしい。へぇ、瓶以外でも酒って持ち歩けるんだなと、ちょっと驚いた。
日本人として、私は原爆被害の悲惨さを知っているから、オッペンハイマーが自分の作った兵器に怯える気持ちはよく分かった。でも、映画の中では被害の描写がほとんど無かったせいで、彼が自責の念に駆られる背景が、他の国の観客にどれだけ伝わったかはちょっと疑問。真っ黒焦げになった犠牲者も十分に悲惨だけど、全身の皮が剥け落ちて「水をくれ」「水をくれ」と呻きながら亡くなっていった人々のことまで描かれていたら、この兵器の恐ろしさがもっと伝わったんじゃないかと思った。単に「世界を破壊する」だけじゃピンとこない。ミクロの視点が一瞬でもあれば、いいアクセントになったと思うけど。
日本公開が危ぶまれたと聞いた。観るチャンスがないまま終わっていたのかもしれない、と思うと、「国民の心情」とかいうクソデカ主語って何なのだろうと思う。
